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論文

J-PARCリニアックにおけるアノード変調器の放電対策

千代 悦司; 川村 真人*; 堀 利彦; 佐藤 文明; 篠崎 信一

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1224 - 1226, 2013/08

J-PARCリニアックには、絶縁油中に半導体スイッチや抵抗器等を実装したアノード変調器が20台稼働しており、2.4万時間を超えて運転されている。この間、変調器では放電が多数発生しており、加速器の稼働率低下の原因となっている。運転初期に発生した多くの放電は、変流器(CT)部での放電であり、その後、5千時間を超える頃から絶縁油中に設置した固体絶縁体の耐圧劣化による放電が多発した。初期の変調器では、高電界部の電極に絶縁強化のためテフロン管やFRP板を油中に挿入していた。しかしながら長時間運転すると固体絶縁対表面に炭化物が堆積し、耐圧が低下した。そこで、固体絶縁体を用いず絶縁油だけで十分な離隔距離が得られるよう部品等を再配置することで放電対策を行った。CT部の放電対策は、CT内径中の限られた空間で放電を防止するため、CTを貫通する電極をパイプ(外径20mm)から20D2V同軸ケーブルの心線に交換し対応した。また、変調器気中部では、コロナ放電によるオゾン等の生成物よるハンダ等の腐食が問題化した。この対策として、気中に設置した絶縁トランスを油中に移設することによりコロナ放電を防止した。

論文

Hadoop・HBaseを利用したJ-PARC運転データアーカイビング

吉位 明伸; 菊澤 信宏

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.690 - 693, 2013/08

J-PARCにおいては多数の機器により制御されており、Linac, RCSに関して約64000点にも及ぶEPICSレコードのデータを収集している。現状では、RDBMSのPostgreSQLを利用したシステムにてデータを格納しているが、性能や容量,拡張性の面で決して十分とは言い切れず、将来的なデータ量増加に対応できる新たなシステムアーキテクチャが求められてきている。この課題に対応するために、分散処理フレームワークのHadoopと分散データベースのHBaseの利用について検討を行った。1台のMasterNodeと9台のSlaveNodeという構成で、約50TBのHDFSファイルシステムを構築し、このうえでHBaseを稼働させ、現行データをさまざまなデータ構造で投入し、性能や挙動について検証を行った。その結果、システムに適したデータ構造と適切なパラメータチューニングを施した場合に、現行システムと比較してデータ検索の応答時間が1/5程度にまで短縮され、書込みについても性能向上が確認できた。ただし、検証を行う中で実際の利用に向けて可用性や運用面に関する解決すべき課題が幾つか浮上している。本学会では、これらの検証から得られた結果や課題並びに今後の対応について報告する。

論文

大面積イオンビームの2次元強度分布測定のためのガフクロミックフィルムの校正

石坂 知久; 今井 浩二*; 百合 庸介; 湯山 貴裕; 石堀 郁夫; 奥村 進

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.594 - 596, 2013/08

TIARAサイクロトロンでは、多重極電磁石を用いた大面積均一ビーム形成照射技術の開発を進めている。形成されたビームの均一度や面積の評価にラジオクロミックフィルム線量計の一種であるガフクロミックフィルム(米国ISP社製)を用いた2次元相対強度分布計測を利用するため、イオンビーム照射によるフィルムの着色応答を調べた。ガフクロミックフィルムは、X線等を用いた線量分布評価に利用されているが、高解像度で大面積を評価でき取り扱いも容易である等の特長を有することから、イオンビームの強度分布の評価に利用可能と考えた。照射したフィルム(HD810, EBT2)をイメージスキャナで読み取りTIFF画像(16ビットRGB)に変換、RGB各成分に対応する吸光度を求めることでフルエンス応答曲線を作成した。3種類(10MeV $$^{1}$$H, 520MeV $$^{40}$$Ar、及び490MeV $$^{129}$$Xe)のビームに対する応答を調べた。520MeVの$$^{40}$$ArビームをHD810フィルムへ照射した場合、B成分において3$$times$$10$$^{9}$$個/cm$$^{2}$$までのおよそ2桁のレンジのフルエンス範囲に対して吸光度が線形に増加することがわかった。

論文

J-PARCリニアックRFQ2号機大電力試験用テストスタンド

堀 利彦; 千代 悦司; 篠崎 信一; 佐藤 文明; 森下 卓俊; 近藤 恭弘; 二ツ川 健太*; 福井 佑治*; 川村 真人*; 杉村 高志*; et al.

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1240 - 1242, 2013/08

J-PARCリニアックの運転当初から使用しているRFQは、2008年に放電が頻発し大出力ビームを長時間安定に加速することが困難な状況となったため、そのバックアップ機としてRFQ2号機を製作するに至った。RFQ2号機は2011年3月に製作を終え、早い時期に大電力試験を行う予定であったが、同年3月11日に発生した東日本大震災の影響で、試験スケジュールは白紙の状況となった。震災後の高周波源グループは機器の復旧とビーム運転の再開を最優先課題としたが、この大電力試験を早期に行えるよう本テストスタンドの整備を2012年1月より本格的に開始した。ハード機器の整備、低電力システムの構築、高圧電源の試運転、クライストロンから空洞までの導波管接続などの作業を4月下旬には完了した。空洞サイドからの主な要求としては、パルス繰り返し数: 50pps、RFパルス幅: 600$$mu$$s(連続可変)、最大供給電力: 400kWなどであったが、5月下旬までの実稼働日数で19日間、高圧印加時間で約150時間の大電力試験を大きなトラブルなく消化した。

論文

J-PARC 3GeV RCS第2, 3荷電変換装置制御システム設計

川瀬 雅人; 吉本 政弘; 山崎 良雄; 竹田 修

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.734 - 737, 2013/08

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は3枚の炭素薄膜を用いた荷電変換入射方式を採用している。本装置のメンテナンス性向上と真空排気能力の強化を目的とした第2, 3荷電変換装置の高機能化を進めており、これに合わせて制御システムの見直しを行っている。制御システム見直しの基本方針は、3つの装置を一元管理している制御システムから切り離し、独立した制御システムとして再構築する。そのうえで第2, 3荷電変換装置の高機能化に対応させることとした。各々の装置を独立に制御することから、特に安全面に関するインターロック機構の見直しが必須となる。これまで荷電変換装置の異常信号は3台分として集約しMPSを作動させていた。そのため、異常時の原因追究等に時間を要していたが、独立した異常信号でMPSを作動させることで、緊急時の個別対応が容易になるという効果が期待できる。第2, 3荷電変換装置の制御は横河電機製PLC FA-M3のみ用いたシンプルなシステムを採用し、軸駆動系及び真空排気系を融合し、かつ同期性のある制御アルゴリズム設計を進めている。本報告では、この再構築した第2、3荷電変換装置制御システム設計について報告するものである。

論文

J-PARC MLFインヒビットシステムの開発

石山 達也; 伊藤 雄一; 菊澤 信宏; 鈴木 隆洋; 大井 元貴; 明午 伸一郎; 酒井 健二; 加藤 裕子

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.714 - 716, 2013/08

J-PARCでは、MLFとMRの両施設へのビーム打ち分け時に、MLFにてMPSが発報すると全ビームが停止となり、正常運転状態にあるMRへのビーム供給も停止してしまう。特にミュオンターゲット移動時にはMPSが必ず発報する仕様となっているため、ビーム行先をMRのみに切り替えてターゲットを移動する運用を行っていた。このビーム行先切り替えの際にも全ビーム停止となる。これらによるMR運転稼働率の低下が問題となっていた。そこで、現状のMLFのMPS信号をMLFインヒビットとして扱い、MLFインヒビット発報時には、MLF行きのビームのみを停止し、MR運転稼働率の向上を図ることとした。勿論、MLFインヒビットを実現するにあたり、安全性を保つことが必須である。今回新たに、MLFインヒビット発報中にMLFにてビーム検出がされた際に、通常のMPSを発報し全ビーム停止を行うロジックを組み込むことで、稼働率向上、安全性確保を両立したMLFインヒビットシステムの構築を行った。

論文

LCS$$gamma$$線源単色化のための非対称光共振器の提案

永井 良治; 羽島 良一

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.980 - 982, 2013/08

ERL加速器技術を基盤としたレーザーコンプトン散乱(LCS)$$gamma$$線源を用いた非破壊核種分析システムの開発を行なっている。LCS$$gamma$$線源をさらに高度化し単色化を進めることで、$$gamma$$線非破壊分析システムの精度向上や核内励起状態の探求が可能になる。単色$$gamma$$線をLCSで発生するには、これまでのLCS光源で用いられている高繰り返し短パルスレーザーのエネルギー広がりが問題となるので、狭帯域レーザーを用いる必要がある。高出力狭帯域レーザーは繰返しが低いためにこれまでのLCSで用いられてきた光共振器では蓄積光が増倍されない。そこで、単色$$gamma$$線の発生に適したLCS用光共振器について提案し、その性能について評価した結果について報告する。

論文

光陰極時間応答性測定のための偏向空洞

永井 良治; 沢村 勝; 西森 信行; 羽島 良一

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.656 - 658, 2013/08

ERL加速器技術を基盤とした共振器型X線自由電子レーザー,レーザーコンプトン$$gamma$$線源などの次世代光源の研究を進めている。電子銃から発生する電子ビームの時間方向に対しての波形整形を施すことでの電子ビームの輝度向上により、これらの光源の性能の飛躍的な向上が期待される。そのため、電子銃から発生する電子ビームの時間形状とエミッタンスの関係を詳細に調べ最適な時間形状を明らかにし、それを発生するために必要とされる陰極の時間応答性を計測するために必要な偏向空洞を設計・製作し基本的な特性について評価したので、その結果について報告する。

論文

J-PARC負水素イオン源の運転状況

小栗 英知; 池上 清*; 大越 清紀; 小泉 勲; 高木 昭*; 滑川 裕矢*; 山崎 宰春; 上野 彰

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1081 - 1083, 2013/08

東日本大震災で大きな被害を受けたJ-PARCは、震災発生から約9か月後の平成23年12月にビーム運転を再開した。イオン源の震災被害は、加速器トンネルの地下水浸水による本体表面の結露、ガラス製ビューイングーポート破損による真空リーク及び振動による真空ポンプの故障等であったが、幸い大規模な復旧作業を要するほどには至らず、10月中旬にはイオン源の試験運転を再開できた。イオン源のメンテナンス頻度を決定するのはフィラメント寿命であるが、17mAのビーム条件下で震災前に1回、震災後に2回の計3回の2か月連続運転を行い、いずれも運転期間途中でのフィラメント交換無しで運転を行うことができた。3回のうち1回は、3GeVシンクロトロンにてビーム出力400kWのデモ運転を行うために6日間の28mAビーム運転を実施したが、フィラメント寿命やビーム安定性に特に問題は発生しなかった。イオン源のメンテナンス所要時間の短縮は加速器の稼働率向上には必須であり、そのためにフィラメントのプレベーキング装置等を整備してきた。現在、メンテナンス開始から24時間後にビームを供給することを試行中であり、今までに2回実施したが特に問題なく時間内にビームを供給できた。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋; et al.

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.362 - 366, 2013/08

原子力機構-東海タンデム加速器施設には、20MVタンデム加速器とその後段加速器として1/4波長型超伝導空洞40台から構成される超伝導ブースター加速器が設置されている。2011年発生した東北太平洋沖地震では、東海タンデム加速器は震度6弱の揺れに襲われ、地震計のインターロックにより自動停止した。加速器の圧力タンクからのSF$$_6$$ガスの漏れも発生せず、超伝導ブースターのHe冷凍機は停止中であったのでHeガスの放出もなかった。加速器の主な被害は、高電圧発生部の絶縁カラムを支持するセラミクス支柱の35本(総数240本)の破損、加速管へのSF$$_6$$ガスのリーク、ビームライン機器の移動(特に大型偏向電磁石)等であった。加速器本体の被害が小さかったのは、絶縁カラム全体が免震機構によって支えられていたおかげである。約半年に及ぶ復旧作業の結果、2011年9月には運転を再開することができ、最高電圧は18MVを保持している。本報告では、被災状況とその復旧作業及び施設の運転状況と最近のビーム開発について報告する。

論文

JAEAにおける500-kV光陰極DC電子銃の開発

西森 信行; 永井 良治; 松葉 俊哉; 羽島 良一; 山本 将博*; 宮島 司*; 本田 洋介*; 飯島 北斗*; 栗木 雅夫*; 桑原 真人*; et al.

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.255 - 259, 2013/08

次世代ERL放射光源の電子源に対する要求は、エミッタンス0.1$$sim$$1mm-mrad電流10$$sim$$100mAの高輝度大電流電子ビームの生成である。このような低エミッタンスビームを生成するには、空間電荷力抑制のため、電子銃の出射ビームエネルギー500keV以上が要求される。われわれは平成20年度より500kV光陰極DC電子銃の開発に着手し、世界に先駆けて550kVのDC印加と500kVでの8時間連続高電圧印加に成功した。この後、ビーム生成のためにカソード・アノード電極と非蒸発型ゲッターポンプを電子銃真空容器にインストールし、526kVの高電圧印加に成功した。当面の課題は電子ビーム生成条件下での550kV印加であるが、高電圧印加試験中にカソード電極から暗電流が突然発生するという新しい問題に直面している。この原因を、電子銃真空容器内の微細粉塵が、高電圧印加試験中の放電で帯電してカソード電極に付着し暗電流が発生すると推定した。電子銃真空容器内面の低電界化により暗電流問題の解決を図るべく、電極の改造に着手している。平成24年度10月には高エネルギー加速器研究機構で建設中のコンパクトERLに本電子銃を移設する予定であり、400keV以上でのビーム生成と大電流試験にも取り組みつつある。

論文

J-PARCリニアックDTL部で発生したビームロスの計測

三浦 昭彦; 宮尾 智章*; 伊藤 崇; 平野 耕一郎; 南茂 今朝雄*; 丸田 朋史; 田村 潤; 池上 雅紀*; 内藤 富士雄*

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.653 - 655, 2013/08

2011年3月の東北地方太平洋沖地震により、J-PARCでは大きな被害が発生した。震災前の運転に比べ、アライメントが異なることなどから、ビームロスの発生状況の変化が見られると同時に、部分的に非常に大きなビームロスが発生し、運転後のサーベイにおいて、ドリフトチューブリニアック(DTL)空洞の表面に、残留放射線が認められる箇所が見つかった。このため、シンチレーションビームロスモニタを追加し、DTL部でのビームロス挙動の観測を開始した。ビーム軌道をパラメータとした測定の結果、ビームロスイベントが軌道に伴って変化する様子が観測された。

論文

敷設ケーブルの高周波電力損失の高精度測定

二ツ川 健太*; 穴見 昌三*; 小林 鉄也*; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 道園 真一郎*; 佐藤 文明; 篠崎 信一

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.765 - 768, 2013/08

ほぼすべての加速器施設で、加速空洞内の電場や大電力高周波の伝送系、またビームの状態などのモニタ用として、高周波ケーブルを使用している。これらの敷設されたケーブルにおいては、運転前に高周波特性を把握しておくことが、必要不可欠である。一般的には、ケーブル内での高周波電力損失は、ネットワークアナライザを使用して、透過電力$$S$$$$_{21}$$を測定する手法で求められる。放射線防護の観点から、空洞がある加速器トンネルとその制御システムは、離れた場所に設置される。この場合は、この間に敷設されたケーブルの透過電力を測定するためには、この間を渡って校正されたケーブルが必要になり容易ではない。そこで、ケーブル内での高周波電力損失の測定手法として、反射を利用する方法を紹介する。この手法では、ケーブル末端での反射波の位相を回転させることによって、ケーブルの途中での反射と末端での反射を区別する。この測定は、従来のパワーメータと信号発振器を用いた方法より、容易であり、かつ高精度である。また、高周波電力損失という基礎情報の測定であるとともに、どの加速器でも使用する機器・道具しか使用していないため、応用範囲が広いと考えている。J-PARCリニアックに新しく敷設するACS用ケーブルの測定でもこの手法を採用する予定である。

論文

J-PARCリニアックLLRFの東日本大地震からの再スタート

二ツ川 健太*; 穴見 昌三*; 小林 鉄也*; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 道園 真一郎*; 川村 真人*; 佐藤 文明; 篠崎 信一; 千代 悦司; et al.

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.769 - 773, 2013/08

2011年3月11日に発生した東日本大地震によって、J-PARCリニアックは、建屋,ユーティリティー設備,装置等に甚大な被害が生じた。高周波(RF)制御システムも立体回路の変形に伴い、2つの加速空洞に伝送しているRFの位相差を測定し、再調整を行った。また、各基準信号の伝送,制御機器,増幅機器の動作チェックを行い、2011年の末にビーム試験を迎えることができた。しかし、SDTL05の空洞が、震災で大気に晒されて空洞内の状態が悪化したこともあり、運転で使用するパワー領域で高周波が不安定になり、この領域での使用が困難になった。現在は、設計値より、高いパワー領域で運転している。その際に、高周波の波形を解析した結果、SDTL06にも相似た現象が確認できるが、SDTL07を境に大きく傾向が異なることがわかった。その結果、自由発振のときの波形から共振周波数を算出して、制御している自動チューナの設定値を最適化した。また、平成24年度に高圧のトラブルがあり、タイミングの関係でマクロパルスの途中でサグの傾きが変わるような設定になったが、現在はフィードバック制御により、空洞内の電場は一定に保たれている。本発表では、震災の復旧作業から夏季シャットダウンまでの運転対応について報告する。

論文

アーク電流$$Delta$$$$Sigma$$フィードバック制御によるJ-PARCイオン源ビームの安定化

大越 清紀; 伊藤 雄一; 上野 彰; 小栗 英知

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1105 - 1108, 2013/08

J-PARC負水素イオン源は、六ホウ化ランタン製フィラメントを使用したアーク放電駆動型を採用している。メンテナンス直後のイオン源は、フィラメント表面の相対的に温度の低い部分にボロンが付着して急激にアークインピーダンスが増大する。その結果、アーク電流が減少し、ビーム強度の減少を招く。ビーム強度安定化のためにはアーク電流を一定に保つことが有効であるが、J-PARC利用運転開始当初は、アーク電流を一定に保つために1時間に数回程度のフィラメント電流調整が必要であり、イオン源オペレータの負担が大きかった。このためアーク電流を一定に保つフィードバック(FB)プログラムを作成し、2010年11月より実装した。このプログラムでは、フィラメント電圧をアーク電流の測定値が設定値に一致するように制御する機能を有する。最初に作成した単純なFBでは、フィラメント制御電圧の分解能(0.01V)が不十分なのが原因でアーク電流は鋸波状に変化(約$$pm$$1.1%)し、それに伴いビーム電流も変動していた。この変動を軽減させるための改善策として、$$Delta$$$$Sigma$$変調方式をFBプログラムに取り入れた。$$Delta$$$$Sigma$$変調によりフィラメント電圧分解能による量子化誤差を時間方向にも分散させた結果、オペレータのフィラメント電圧調整操作を行わなくてもアーク電流変動を約$$pm$$0.2%まで安定させることに成功し、オペレータの負担を大幅に軽減することができた。

論文

J-PARC加速器の現状

長谷川 和男

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.339 - 343, 2013/08

J-PARC施設はリニアック、RCS(Rapid Cycling Synchrotron)、MR(Main Ring synchrotron)、RCSからの3GeVビームを利用する物質生命科学実験施設(MLF)、MRからの30GeVビームを利用するハドロン実験施設(HD)及びニュートリノ実験施設(NU)から構成される。2011年3月11日の地震でライフラインを含めて施設に大きな被害を受け、運転を休止せざるを得なくなったが、施設利用を再開するため、精力的な点検や復旧作業を実施した。その結果、J-PARCセンターが5月に策定した復旧計画通り12月からビーム調整運転を再開し、約2か月の利用運転を行った。平成24年度に入ってからは、大きな故障もなくユーザー利用運転を行い、MLFに100-200kW、NUに140-200kW、HDに3.3-6kWと、震災前と同等かそれ以上のビームパワーで供給を行っている。稼働率は、2011年はクライストロン電源の故障で73%に下がってしまったが、2012年度6月までの運転時点で90-94%に回復した。本発表では、こうした運転経験や性能向上に向けた状況について述べる。

論文

核変換実験施設のためのJ-PARCタイミングシステムの設計検討

伊藤 雄一; 川瀬 雅人; 菊澤 信宏; 大内 伸夫

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.738 - 740, 2013/08

J-PARCでは第二期計画として加速器駆動システム(ADS)による核変換実験施設(TEF)の建設が検討されている。TEFで利用する予定の陽子ビームは400MeV, 250kWであり、LINACから分岐して供給される。LINACは既存のJ-PARC各実験施設に向けて繰り返し25Hzで運転しているが、これらへのビームパワーを維持するためには、倍の50Hzで運転しなければならない。したがって、J-PARCタイミングシステムも50Hzとしなければならないが、特にRCS以降ではDAQシステムなどが25Hzで最適化されているなどの理由により、全体を50Hz化するのは困難であることが予想される。本稿ではこれらの現状を踏まえてTEF対応のタイミングシステムについて検討する。

論文

J-PARCリニアックにおけるRFチョッパーを使用した縦方向ビームプロファイル測定の検討

丸田 朋史; 池上 雅紀*

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.420 - 423, 2013/08

J-PARCリニアックの3MeVビーム輸送区間に設置された機器を用いて、縦方向ビームプロファイルの測定方法を考案した。この区間には、ビームの時間構造を下流の3GeV Rapid Cycling Synchrotron(RCS)のRF構造に合わせて櫛形に整形するため、RFチョッパーシステムが設置してある。このシステムは高周波でビームに水平方向の偏向を与えるRFチョッパー空洞とスクレーパから構成される。測定ではチョッパー空洞の同期位相を、ビーム重心からの位相差に比例して偏向量が増加するように変更する。偏向後の分布をワイヤースキャナーで測定し、偏向有・無の分布の比較から、位相方向ビーム幅(RMS)を求める。また、上流にあるバンチャーの振幅を変えて、位相方向ビーム幅を測定することにより、エミッタンスとtwissパラメータを求めることができる。本論文では、測定方法とシミュレーションの結果について報告する。

論文

Beam commissioning of J-PARC linac after Tohoku Earthquake and its beam loss mitigation

池上 雅紀*; Fang, Z.*; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*; Liu, Y.*; 丸田 朋史; 佐甲 博之; 三浦 昭彦; 田村 潤; Wei, G.

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.64 - 67, 2013/08

The beam operation of J-PARC linac was interrupted by the Tohoku earthquake in March 2011. After significant effort for its restoration, we have resumed the beam operation of J-PARC linac in December 2011. After resumption of beam operation, we have been suffering from beam losses which were not observed before the earthquake. Tackling with the beam loss issues, we have been reached the same beam power for user operation as before the earthquake. In this paper, we present the experience in the beam start-up tuning after the earthquake with emphasis on the beam loss mitigation efforts.

論文

J-PARC用セシウム添加高周波駆動負水素イオン源の開発状況

山崎 宰春; 上野 彰; 滑川 裕矢*; 大越 清紀; 池上 清*; 高木 昭*; 小泉 勲; 小栗 英知

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.260 - 264, 2013/08

現在J-PARC次期計画用イオン源として、ビーム強度: 60mA、パルス幅: ビームフラットトップで500$$mu$$s、繰り返し: 25Hzを目標とした、セシウム添加高周波駆動(RF)負水素イオン源の開発を行っている。現在テスト中のRFイオン源は、J-PARCの実機イオン源をベースにさまざまな改良を施しており、その特徴はSNS(Spallation Neutron Source)で開発された内部RFアンテナを使用、冷却板付プラズマ電極(PE)の採用、セシウムオーブンや軸磁場補正用(AMFC)コイルの追加等である。セシウム添加条件の最適化を図り、さらにAMFCコイルとLEBTソレノイドによる軸磁場補正という新しい手法を用いた結果、現在、ビーム電流77mA、さらにRFQ入口設計値1.5$$pi$$mm$$cdot$$mrad内エミッタンスにおいて90%のビームフラクションを得ており、基本ビーム性能としてはJ-PARC次期計画の要求を十分満たす結果である。100時間を超える長時間の連続試験運転を行った結果、1日1回に4分間のセシウム添加で、RF出力40kW時に66mA以上の強度のビームを安定して引き出せることを確認した。

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